カバーコラム
毎月「暗渠」「ステビア」「農業」「農村景観」をテーマにカバーコラムを書いて行きます。
■耕盤
耕盤の話をするのは2回目だ。2010年1月のカバーコラムでも書いた。
今回はお世話になっている輝来里のほ場の暗渠排水を施工した。
奇麗な断面構成が見えたので記録した。
作土、耕盤土、泥炭土、若い泥炭土、青粘土と奇麗に見える。
赤線で挟まれた部分が耕盤土でそこだけ土が硬い、ここの土をどう壊すか?このような層が出来ないようにどうするか?が水はけの良い畑を作る基本である。
phを調べたら、作土、耕盤土は6.2
泥炭土は5.2でした。
耕盤を破るような根をはわせる事も手段だが、このphではなかなかここまで根を伸ばす事は難しいだろう。
基本的には、サブソイラーでほ場を管理する事が大事だろう。
2012年8月
■NEWトレンチャー完成!
10年ぶりにトレンチャ−の製作を行いました。
公共事業削減で「受け身」の体制をとり、「少ない人数」で「少ない機械」でしのいできました。
しかし、我が社も伊勢神宮の「遷宮」のように技術の伝承を行わなければならないと思い制作に踏み切りました。
民主党政権に変わり「土地改良事業」が大幅に削減されて来ましたが、昨年の補正予算で自民党時代にも無い程の予算が付きました。
業界は仕事をこなせない程、材料を供給できない程の大騒ぎになっています。
公共事業に左右される業種ではありますが、日本に農業がある限り我が社の技術は必要な物だと考えています。
写真を見てわかるように、従来のトレンチャーより大幅にエンジンが前に出ています。
この10年で作業機の構造も変わり、軟弱地盤に対応できるよう車両のバランスを大幅に変えました。
今後はトレンチャーの販売も考えて行かなければならないと考えています。
初出動が楽しみです。
2012年7月
■ソケット付き土管と地下かんがい
今年の北海道は大雪で春の雪解けが遅く、江別の名産「ハルユタカ」が心配だった。その後、春に干ばつが続き、なおさら心配が増える。
そんな時こそ「地下かんがい」が必要だ!江別の名産である「煉瓦」工場では「素焼土管」を生産している。
写真は土管にソケットを付け土管でも安定的に水を給排水出来る為に作られた物だ。
その土管を利用して暗渠に水を入れ地下水を上げた。
雪解けの為に暗渠排水を利用し、干ばつの時にも暗渠排水を利用して給水する。
年々「ハルユタカ」の作付け面積が減っているが、この工法で少しでも農家さんのリスクを回避したい。
江別の名産である「ハルユタカ」を江別の名産である「煉瓦」の技術を使って守って行きたい。
2012年6月
■環境の保全と緑化に関わる・・・
石川県の長谷川先生が主催している研究
会に始めて参加しました。
毎年、社長だけが参加し、色々な情報を得
て来ましたが、今年はやっと参加できまし
た。
中国の農業の話や放射能汚染の話など話題は多岐にわたり、あっという間の時間で
した。個人的に興味を惹いたのは、世界の肥料原料の動向です。
日本の農業は様々な問題を抱える中、土づくりの基本に帰るべき理由は、肥料の多
くを輸入に頼っているからです。
輸入に依存している産業は外国の動向に左右される危うい面を持ち合わせていま
す。
エネルギーも肥料も外国に依存しなくても済むような、循環型農業の確立には土づ
くりが大切では!と思います。
2012年3月
■瓦チップ
先日福井県の廃瓦研究会に呼ばれ暗渠排
水での疎水材利用の話をして来た。
瓦はセラミックであり、セラミックは
「土壌改良材」「培土」として利用されて
おり、土づくりにも貢献できる。
我が社がある江別市は「やきもの」の町である。
私もセラミックの特徴は理解しているつもりで、北海道の人間だからこそ、北海道
に無い屋根瓦に着目で来たのだと思う。
以前、小浜市で暗渠工事をした時には「福井県にはそのような材料は無い」と言
われ残念な思いをした事があったが、今後、福井県で利用される事に期待したい。
ちなみに今福井県が計画している工事に瓦を利用すれば、約90,000tの瓦
が必要になる。
2012年2月
■塩害対策
とうとう我が社にも除塩の仕事の依頼が
来た。
写真は名取市の現場、とても温暖湿潤気
候の日本の田んぼだとは思えない。
まるで中国内陸部か中東の農地のようだ。
津波の被害にあった地域は、青森県を含めた4県の耕作面積の16%、
22,842ヘクタールと言われている。
この面積は東北6県が一年間に施工している暗渠排水工事面積の11年分に相当す
る。
ほ場に海水が入るとナトリウムイオンが土壌粒子表面に吸着し、土壌の団粒構造
を破壊し、土壌の物理性が悪化し作物の生長が阻害される。
工事の内容は、弾丸暗渠を施工したり、マニアスプレッターで石灰散布したり、
深耕ロータリーをかけたりと北海道では農作業のような物だが、東北地域ではそれ
だけの仕事ができるトラクターがそんなに無いだろう。
契約が決まれば春まで東北人だな!
2012年1月
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