12月 なぜこの仕事をするのかは、なぜ生きるのかと同じ

2025年12月

中小企業家同友会・農業経営部会の視察旅行で、東京・群馬・長野の各地を訪ねました。

群馬の農業については「コンニャクが有名」という程度の知識しかありませんでしたが、実際に現地を訪れると技術・経営ともに非常にレベルが高く、その底力に驚かされました。大消費地・東京に近いという地の利も、群馬農業の大きな強みと感じました。

長野県では、昨年の12月のカバーコラムで取り上げた「風土産業」の実践の地で楽しみにしていました。お話を伺ったりんご農園の方は、ブドウの自動収穫機の導入、りんごビールの開発、遠隔収穫ロボットの開発、野生動物の調査、さらにはりんごを通した地域づくりなど、多彩な取り組みを展開されていました。

特に印象的だったのは「東京にいながら長野のブドウ畑を遠隔操作し、数日後には収穫物が届く」という仕組みづくり。農業を”ゲーム化・エンターテインメント化”して捉える発想はまさに風景(ランドスケープ)を連想する視点そのものでした。講演後に話を伺うと、学生時代に農学部でランドスケープを学んでいたとのこと。今後の活躍にも大いに期待したい方でした。

今回の視察では農業の技術的な話を深く伺う場面は多くありませんでしたが、どの企業も経営理念が確立しており、その姿勢に学ぶことが多くありました。ある社長さんからは「なぜこの仕事をするのかは、なぜ生きるのかと同じだ」という言葉をいただき、自分の未熟さを改めて思い知らされた旅でもありました。

せっかく長野県まで来たので50年以上ぶりに善光寺へ足を運びました。子どもの頃に一度訪れたことがあり、お戒壇巡りで大泣きした記憶だけが残っていました。当時の自分を思い出しながらゆっくりと境内を歩き、今度は家族で来たいなと思いました。

タイトなスケジュールの旅行でしたが、一緒に行った農家さんにも「ナラ工業の仕事は大事だから」と言っていただき「まだまだ頑張らないと」と思えるいい時間となりました。