
2025年 3月
ナラ工業でも撮影に関わった映画「NORIN TEN -稲塚権次郎物語-」
この映画の主人公、富山県出身の稲塚さんは、宮沢賢治さんの歌にも出てくる「陸羽132号」というお米を作りました。当時、農業指導員だった宮沢さんは、寒冷地でも栽培できる強いお米として「陸羽132号」を農家さんに勧めていました。
当時の日本国では、育種家はお米の研究が主流でしたが、日本国の方針が変わり、欧米人のように大きな体になるには食生活を変える必要があるといい、小麦の研究が進められ、稲塚さんは「お米」の育種から「小麦」の育種に転向しました。しかし、お米に未練があったようで「陸羽132号」の行く末も心配していました。
その後「陸羽132号」は新潟の並河成資さんの手によって改良され、新たなお米「水稲農林1号」が誕生します。
この「水稲農林1号」は全国で栽培され、福井県で「コシヒカリ」となります。
新潟の「越後」、富山の「越中」、福井の「越前」、この「越の国」が係わり
「越輝(コシヒカリ)」と命名されました。
台湾には「飲水思源(いんすいしげん)」という言葉があります。
「井戸の水を飲む際には、井戸を掘った人の苦労を思え」という意味です。
今、「お米が無い!」とか「お米が高い!」と騒いでいますが、
「食米思源」で、お米を開発してくれた育種家の方々とお米を作ってくれた農家さんの苦労を思ってお米を食べて欲しいですね。
写真は並河成資さんの銅像 新潟県農業総合研究所